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本質を見るという仕事|現場改善に必要な思考力とは

  • 執筆者の写真: 稔 横内
    稔 横内
  • 3月6日
  • 読了時間: 5分
― 根本原因分析が品質改善と生産性向上を加速させる理由 ―

製造業の現場では、品質トラブルや工程不具合が発生した際、

・応急処置で対応する・その場の修正で乗り切る・同じ対策を繰り返す

といった対応が行われることがあります。


一時的に問題は解消したように見えても、 同じトラブルが再発する現場は少なくありません。

この違いを生むのが、

👉 問題の表面を見るか

👉 問題の本質(根本原因)を見るか

という視点の違いです。


本記事では、製造業の現場改善に不可欠な

  • 根本原因分析(Root Cause Analysis)

  • 本質を見抜く思考力

  • 再発防止につながる改善視点

について解説します。



なぜ同じ品質トラブルが繰り返されるのか

現場では次のような経験がありませんか。

  • 修正しても同じ不良が再発する

  • 対策しているのにトラブルがなくならない

  • 原因不明の不具合が繰り返される

  • 改善しても効果が長続きしない

これらの多くは、表面的な対処(対症療法)に留まっている状態を示しています。


表面対応と本質対応の違い
■ 表面対応(対症療法)

・ズレた → 再調整する

・不良が出た → 手直しする

・工程が遅れた → 人員を増やす

➡ 一時的に解消するが再発する

■ 本質対応(根本改善)

・なぜズレたのか工程構造を確認する

・なぜ不良が発生したか原因分析する

・なぜ遅れたか工程設計を見直す

➡ 再発防止・品質安定・生産性向上につながる

実例:溶接後の歪み増加の真因分析

ある現場では、

  • 溶接後の歪み増加

  • 矯正作業の増加

  • 手直し工数が約20%増加

という問題が発生していました。


当初は「溶接技術の問題ではないか」という議論が出ました。

しかし分析を進めると、

✔ 歪みが増えている製品は特定ロットに集中

✔ レーザー加工後の曲げ精度に微小なばらつき

✔ 前工程の精度差が溶接歪みを増幅

という事実が判明しました。

本質は溶接ではなく、前工程の精度ばらつきだったのです。


改善アプローチ
  • 前工程との測定データ共有

  • 歪み吸収構造を持つ治具へ変更

  • 溶接順序の標準化

結果
  • 手直し工数:20%削減

  • 矯正時間:30%短縮

  • 作業負担の軽減

重要なのは、「誰のミスか」ではなく工程全体の構造を見ることでした。

現場改善が進まない本当の理由

改善が停滞する現場では、

✔ 応急処置で済ませる

✔ 真因分析が行われない

✔ 工程構造を見ない

✔ 原因と結果が混同される

といった傾向があります。

本質を見るとは「原因の構造を見ること」

本質を見るとは、単に原因を探すことではありません。

✔ なぜ起きたのか

✔ なぜ繰り返されるのか

✔ なぜその工程で発生するのか

✔ なぜ担当者で結果が変わるのか

この「なぜ」を構造的に捉えることです。

表面的対処が現場を疲弊させる理由

対症療法が続く現場では:

  • 修正作業の増加

  • 現場負担の増大

  • 同じ不良の繰り返し

  • 改善の手応えが得られない

結果として、

👉 現場疲弊

👉 改善意欲の低下

👉 属人化の進行

につながります。

本質を見る力が品質改善を加速させる理由

本質改善は次の効果を生みます:

✔ 再発防止

✔ 不良率低減

✔ 工程安定化

✔ 作業負担軽減

✔ 改善の蓄積

問題対応の時間が「改善の時間」へ変わります。

本質を見抜くための5つの視点
① 結果ではなく工程を見る

不良は結果。原因は工程にあります。

② 「なぜ」を繰り返す(5Whys)

真因に到達するまで掘り下げます。

③ 担当者差に注目する

結果差は工程・基準の問題のサイン。

④ 発生タイミングを見る

繁忙期・段取り変更後などに傾向が現れます。

⑤ 再現性の有無を確認する

再現できない改善は本質改善ではありません。

本質を見る現場の特徴

✔ 原因分析が習慣化している

✔ 再発防止を重視している

✔ 対症療法に依存しない

✔ 工程全体を俯瞰している

よくある失敗例(表面対応)

・不良箇所だけ修正 → 再発

・検査工程を増やす → 発生は止まらない

・人員増加 → 工程問題は未解決

問題は解決したように見えて再発します。

本質を見る力は組織力を高める

本質改善が進む現場では:

  • 改善が蓄積される

  • 同じ失敗を繰り返さない

  • ノウハウが共有される

  • 判断力が組織に蓄積される

組織の問題解決能力が向上します。

FAQ

Q. 根本原因分析はなぜ重要?

再発防止と品質安定に不可欠です。

Q. 応急処置ではなぜ改善できない?

原因が残るため、同じ問題が再発します。

Q. 現場改善の第一歩は?

問題の構造を理解することです。

まとめ|本質を見ることが現場改善の質を変える

同じトラブルを繰り返す現場と、改善が積み重なる現場の違いは、

本質を見る視点にあります。

もし現在、

  • 不良が再発する

  • 対策しても改善しない

  • 原因が分からない

  • 現場負担が増えている

といった課題がある場合、必要なのは対策の追加ではなく、

問題の本質を見る視点かもしれません。


最後に|再現性は人と組織を強くする

人材育成の課題は、教育方法の問題だけではありません。

判断基準を共有し、再現性を整えることで、人は成長しやすくなります。

もし現在、

・新人育成に時間がかかる

・ベテランに負担が集中している

・技術継承に不安がある

・教育の成果が安定しない

といった課題がある場合、再現性の設計が大きな改善につながります。

アトラスでは精度を偶然にしないための判断基準・工程設計・技術の考え方を公開しています。



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