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再現性を設計するという考え方|品質が安定する現場の共通点

  • 執筆者の写真: 稔 横内
    稔 横内
  • 2月24日
  • 読了時間: 5分

製造業の現場では、精度や品質について語るとき、次のような言葉が使われることがあります。

「今回はたまたまうまくいった」「条件が良かった」「ベテランが担当したから」「忙しくなかったから精度が出た」

もし品質がこのような理由で説明されているとしたら、それは再現性が管理されている状態ではなく、偶然に左右されている状態と言えるかもしれません。

アトラスは、これまで多くの現場を見てきて、再現性は運ではなく、設計できるものだと考えています。

この記事では、再現性を偶然から設計へ変えるための考え方を整理します。



再現性がない状態とは何か

再現性がない現場では、次のような状態が見られます。

・同じ作業でも結果が変わる・担当者によって品質が変わる・良いときと悪いときの差が大きい・原因が特定できない・修正作業が前提になっている

この状態では、品質は安定せず、現場の負担も増えていきます。

重要なのは、これは技術不足ではなく、構造が整っていない状態だということです。



品質が安定する現場の共通点

製造業の現場では、品質について語るとき、次のような言葉が使われることがあります。

  • 「今回はたまたまうまくいった」

  • 「条件が良かった」

  • 「ベテランが担当したから」

  • 「忙しくなかったから精度が出た」

もし品質がこのような理由で説明されているとしたら、それは再現性が管理されている状態ではなく、偶然に左右されている状態と言えるかもしれません。

アトラスはこれまで多くの現場を見てきて、 再現性は運ではなく、設計できるものだと考えています。


この記事では 再現性を偶然から設計へ変えるための考え方を整理します。


社内で起きた実例

ある制御盤内部部品の曲げ加工での出来事です。

  • 材質:SECC 1.2t

  • ロット:300個

  • 精度要求:角度 ±0.3°

初回ロットは非常に安定していました。

しかし、2回目のリピート生産で微妙なばらつきが発生しました。

原因を追究すると、

  • 材料ロット変更

  • 曲げ順のわずかな違い

  • 加工者の判断基準の差

が影響していました。


つまり、「同じ条件」のつもりが、実は同じではなかった のです。

この経験が、再現性に対する考え方を大きく変えるきっかけとなりました。


なぜ再現性は偶然に見えてしまうのか

再現性が安定しない現場では、次の要因が重なっています。

  • 判断が人に依存している

  • OKラインが曖昧

  • 条件が言語化されていない

  • 止める基準がない

この状態では、

良い条件が重なれば品質が出る一つズレれば結果が崩れる

結果として、

「今回はたまたま良かった」

という表現が生まれます。

これは偶然ではなく、設計されていないことによる必然です。


再現性を「設計する」とはどういうことか

再現性を設計するとは、高性能な設備を導入することではありません。


再現性設計とは判断・基準・工程を意図的に揃えることです。


具体的には:

  • どこを基準に考えるのか

  • どこまでをOKとするのか

  • 条件が外れたらどう判断するのか

  • 止めるタイミングはどこか

  • 誰が判断できるのか

これらを感覚ではなく、構造として共有することが再現性の設計です。


実例から学ぶ「再現性設計」の取り組み

実際の改善では、次の取り組みを行いました。

① 戻り量の数値化

曲げ加工で差が出やすいスプリングバックを、

  • 材質別

  • 板厚別

  • V幅別

  • ロット別

に記録。

経験値を共有データ化しました。


② 曲げ順の標準化

曲げ順の違いによる内部応力差を防ぐため、

  • 標準曲げ順表の作成

  • 図面への番号明記

  • 初品承認時に順序固定

を実施。

→ リピート時のばらつきが大幅減少。


③ 暗黙知の見える化

ベテラン作業者へヒアリング:

  • どんなとき補正するか

  • 何に違和感を感じるか

感覚的判断を言語化しチェックリスト化。

→ “なんとなく調整”から→ 理由のある調整へ。


④ 設備状態の基準化

設備コンディションを標準化:

  • 始業前チェック項目

  • 金型摩耗基準

  • 油温安定後の加工開始

→ 「今日は何となく違う」を排除。


再現性を設計するメリット

この取り組みにより:

✔ 品質の安定

✔ クレーム減少

✔ 教育期間の短縮

✔ 原価の安定化

さらに、

  • 手直し減少

  • 検査工数削減

  • 作業者の心理的負担軽減

という副次効果も生まれました。


再現性が設計されている現場は何が違うのか

再現性が設計された現場では:

  • 人が変わっても結果が安定

  • 条件変化にも強い

  • 判断が揃う

  • 工程が意図を持って組まれている

再現性は、個人の腕ではなく組織の設計力として現れます。


再現性は「現場を守る仕組み」

品質が偶然に左右される現場では、負担は必ず人に集中します。

  • ベテラン依存

  • 判断責任の集中

  • 修正作業の増加

  • 現場疲弊

再現性を設計することは、人に頼らない現場をつくることでもあります。


再現性はつくることができる

再現性は、

  • 経験がないと出せないものではありません

  • 特別な技術が必要なものでもありません

判断を揃え基準を言語化し工程を設計する

この積み重ねによって、品質は誰が行っても近づけるものになります。

再現性は偶然ではなく、設計です。


次回予告|再現性を壊す現場の癖

次回は、再現性を阻害してしまう現場に共通する無意識の癖について整理します。

▶ 再現性を壊す現場の癖

▶ 再現性が出ない本当の理由

▶ 再現性を設計するという考え方


最後に|再現性のある現場づくりのために

再現性は品質を安定させるだけでなく、

  • 迷いを減らし

  • 無理を減らし

  • 現場を持続可能にする

ための重要な考え方です。

もし現在、

  • 品質のばらつきが改善しない

  • 担当者によって結果が変わる

  • 修正作業が前提になっている

  • 教育が進まない

といった状況がある場合、改善の出発点は 再現性の設計 にあるかもしれません。


ED
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